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大逆転V!日ハム・栗山英樹の「奇抜な監督力」(2)口癖は「日本一の中間管理職を目指す」

20161013aa2nd

 栗山監督の愛読書の一つが「韓非子」の解説本。中国の思想家の人心掌握術である。人をどう使うか。選手といかにコミュニケーションを頻繁に取り、信頼感を高めるか。それらも、こうした書物からの知識にヒントを得ているものだ。選手を必ずファーストネームで呼び、来日したレアード(29)に陽岱鋼(29)が「金ちゃん」とアダ名を付けると、栗山監督もさっそく「金ちゃん」と呼びかけて距離を縮めていた。

 大谷の「1番・投手」というサプライズ起用も、尊敬する名将、故・三原脩氏が使ったことのある戦術の一つ。勉強家の栗山監督は、蓄えてある引き出しを実戦で巧みに使っているのだ。

 セーフティスクイズや機動力も多用するが、これは、キャスター時代に広島や西武の野球を取材した経験からきている理論だともいう。スポーツライターが言う。

「それらの理論を5年間で徐々に説得力のあるものに変えていき、今の監督力を築いた。口癖は『日本一の中間管理職を目指す』。日本ハムはフロント主導が徹底されたチームで、若手の選手の起用法、一軍で使えるかどうかのレベルまでフロントが管理しています。ドラフト、トレード、外国人などの編成、コーチ人事も全てフロント主導。栗山監督が声をかけて連れてきたコーチは一人もいません。どこかの球団の監督と違い、社長から『これでやりくりして結果を出しなさい』と命じられたことを忠実に実行しなければならない企業の部長クラスと同じ立場なんです。部下(選手)をうまく管理してやる気にさせ、適材適所を見つけなければならないのですが、それをみごとにやってのけている」

 その典型が、吉井理人投手コーチ(51)の存在。斎藤の起用法を巡って意見が合わず、吉井コーチは3年前に退団、ソフトバンク入りした。ところがソフトバンクが手放すと、フロントがすぐに再招聘。一度ケンカ別れしたコーチなど使いにくいものだが、上から「使え」と言われると断らず、摩擦を起こすことなく、関係を修復してうまく使った。

「24時間、野球のことしか考えていない」と断言する栗山監督の独身私生活はというと、映画「フィールド・オブ・ドリームス」の撮影現場となった球場を訪問した際の感動をもとに、札幌から車で1時間ほどの北海道栗山町に「栗の樹ファーム」なる少年野球場を建設。隣接するログハウスに住んで、休日には地域住民と一緒に、農作業に励んでいる。

 世のサラリーマンが学ぶべき現代の名将と言えるが、球団はすでに、田中幸雄二軍監督(48)を後継者として育成中。「後釜」の存在が見えているのに、栗山監督は蹴落とすような嫌がらせもしない。

「監督退任後には、フロント入りが有力視されています」(球団関係者)

 優秀な中間管理職には、目くじらを立てなくとも出世の道が用意されているようである。

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